パッケージとピン

MCS-4を構成する他のICと同様にパッケージはDIP16でした.下にピンアサインを示します.それぞれの役割を説明します.なお,MCS-4で共通的に使われる端子(D0~D3,VDD,VSS,Φ1,Φ2,SYNC,RESETについてはこちらをご覧ください.

 

4001PinAssign

 

クリア信号用端子CL

4001にあるいくつかのレジスタをクリアするときに用いられるのがCLです.通常の動作中,この信号がHighになるとその時点でレジスタのクリアが行われます.大事なことは「その時点で」ということです.つまり,クロックとは無関係に,言い換えれば非同期にクリアされます.

チップ選択端子CM

4001はMCS-4で最大16個接続可能であることは既に説明済みですね.ではそれぞれを4004が選択するときどうすると思いますか?ROMの場合にはSRC命令でアドレスを指定したのち,受信するように設計されています.もう少し正確に説明すると,ROMには固有の4[bit]アドレスを設定できるようになっており,4004から送られてくる12[bit]のアドレスのうち上位4[bit]を比較して同じだったROMが反応するように作られています.4[bit]あれば16個のROMを表すことができますし,下位8[bit]あれば256個の8[bit]データを指定できるようになっていたのです.

基本的にMSC-4では16個のROMを制御できますがそれ以上のROMを搭載する必要があるときどうすればいいでしょう?その時に使われるのがCMです.この端子により,1バンク16個のROMを2バンクにすることができます.つまり,CMがLowの時にはバンク1,Highの時にはバンク2のようにすることで,倍のROMを制御できるようになるのです.

入出力端子I/O0~I/O3

MCS-4では,入出力端子がROMのICにあり,これらを使ってさまざまな電子デバイスを制御することができます.皆さんのよく知っているマイコンであれば,汎用端子の入出力を変えるのはレジスタであると思いますが,MCS-4では入出力を決めるのはROMを焼くときです.したがいまして,一度入出力を決めたら変えることができませんでした.